10月12日・26日の両日午前10時から、平消防署において本年度「救急救命講座Ⅰ」の講習会を実施します。定員各10名ですが新規優先とし、更新は2~3年の間隔をあけて応募下さい。応募は9月24日締め切り厳守と致します。詳細は会員各位へ郵送予定をご確認ください。
10月16日、全国シルバーリハビリ体操指導士連合会第2回交流会in 筑波が茨城県つくば市で開催されます。本年度のテーマは「災害時の相互支援の在り方」(仮題)となり、当会よりも10名程度の参加を予定しております。日程詳細は決定次第連絡予定です。
11月の2日間、かしま病院にて本年度「指導士会主催研修会」を実施します。今回はかしま病院リハビリテーション部様のご協力で、指導士の知識と指導力の向上を目的に講義と実践見学を行います。定員は各回15名、多数の場合は抽選と致します。日程・応募詳細は決定次第連絡予定です。
〜能登半島地震支援プロジェクト事業報告〜
本年元旦に起きた能登半島地震は記憶に新しく、私達にも東日本大震災の記憶が蘇りました。石川県は全国シルバーリハビリ体操指導士連合会事務局があり、被災直後より被害状況や全国からの支援状況が当指導士会にも寄せられており、支援の在り方を模索している間に、指導士から「座布団を運んでくれる人(団体)を探している」との情報が入りお尋ねしたところ、既に300枚もの座布団が積み上げられていました。市や関連団体等と協議し、指導士会が主催となりこのプロジェクトを実施することになり、協力団体は社会福祉法人飛鳥はなまる共和国様・いわき広域リハビテーション支援センター様・福島県理学療法士会様・いわき市ですが、運送に関しては磐城通運様にもご協力を得ました。座布団は泉在住の布団店経営江尻健二さん作成のもので、最終的に508枚をトラックとハイエース2台で運びました。支援団体となったはなまる共和国様は門馬悠理学療法士(3級指導士)を含め、渡邉浩施設長・香髙周期施設支援部長が自ら参加を希望して下さり3名、広域からは大平佳央部長代理(3級指導士)、理学療法士会からは齋藤隆県副会長、当指導士会からは藤原会長と小林正美1級指導士の計7名が参加しました。3月当初から主催代表と会計は藤原会長、現地との連絡日程調整は齋藤氏、日程運送関連は門馬氏と仕事を大まかに分担しながら準備を進めてきました。協力団体での募金活動や協賛者の確保など指導士会でも総会時に募金箱を置き支援を募りました。実施は6月5日にいわきを出発し志賀町に入り、待機していた石川県理学療法士会長・全国指導士連合会事務長の北谷正弘氏他指導士会長など懐かしい方々にお会いでき、大変歓迎されました。
翌日は、被害の最も大きい珠洲市に入り、仮設に暮らし体操を楽しみにしている皆さんと交流しました。ここでは被災直後の1月4日から体操を再開した瀬戸指導士に会い、市や社会福祉協議会の方々とも交流し苦労や現況をお話頂きました。午後には、能登町、七尾市とお伺いし座布団やいわき市の資料などもお渡しし指導士との交流をしました。4カ所を通じて被災状況は4市町で大きな差がありましたが、被害状況は東日本大震災とは異なり、インフラのダメージが非常に大きい事や普及が進んでいない事、特に水道の普及が遅れており、瓦礫などは見当たらないものの潰れた家の撤去は手付かずという状況でした。各地でお会いした指導士達は皆元気一杯、いわきから来てくれたのかと手を握り合ってエール交換をし、次につなげようと前向きな話がたくさん出ました。関係者の皆さんは「被災者が被災者を支援する状況」にお疲れの出る頃にも関わらず、温かく迎えてくれました。「よく来た。よく来た。ありがとう」に迎えられ、送り出されました。胸に詰まるものが多々あふれ出そうになりましたが、指導士の活動に感激し、市の関係者の皆様の「座布団はユニークな支援、高齢者対象の支援は他にはない」、「座布団は能登の生活習慣に根ざした支援である」などの言葉を頂きました。今回のプロジェクトは石川県理学療法士会・全国指導士連合会事務局石田修也様など多数の方々の支援で実現できたもので、はなまる共和国の渡辺様は「高齢者事業の転換期でもあり、施設内だけでなく広く地域保健や高齢者の健康を考えるときであり、はなまるが協力したかった。施設を出て石川の高齢者の方々の支援に携わることで、視野が広がり施設のスタッフの在り方、考え方にも大きな影響を与えるでしょう。何よりも皆さんに喜んで頂けて嬉しい。」と話されました。協力団体の皆様および指導士会の皆様のご支援とご協力誠にありがとうございました。
(報告者:藤原善子・小林正美)
参加者報告:大平佳央氏(3級指導士・いわき地域リハビリ広域支援センター・かしま病院)
私の所属の広域センターは、障がいのある人や高齢の方などが住み慣れたいわき市で自分らしく活き活きとした生活を送っていただけるよう専門職団体、いわき市等と連携し活動しています。また活動の中で、シルバーリハビリ指導士会とPR活動や交流などの支援を進めております。こういったご縁があり、能登半島地震支援のために「何か動かなければいけない」という気持ちで座布団を作り続けた江尻さんの想いと「どうにか被災地まで座布団を届けたい」という指導士会の想いに賛同し『までい座布団』プロジェクトに参加しました。能登半島では場所によって想像していたよりはるかに被害が大きいことがわかりました。ただ座布団を受け取っていただいた時の石川県の指導士さんや行政職員さんの笑顔が多い表情を見ていると、そこに暮らす方々のために苦難な時も、心折れそうな時も、前を向きながらここまで進んできたのだろうな、という何か心打たれる気持ちになりました。ある住民の方が「本心は災害前に戻りたい気持ちがある。ただ今回、災害を乗り越えてきた福島から皆さんに来ていただいて、私たちのこれからの明るい未来を見ているようです。本当にありがとうございました」との言葉が印象的でした。令和6年能登半島地震から半年が経ちましたが、まだ余震が続く中での生活は非常に落ち着かない日々であると思います。復興への道のりはまだ続いていますが、までい座布団のぬくもりで少しでもホッとしていただけたらいいなと思います。今回プロジェクトに参加させていただき本当にありがとうございました。今後共よろしくお願いいたします!
参加者報告:門馬悠氏(3級指導士・理学療法士・特別養護老人ホームはなまる共和国)
今回のプロジェクトで所属する特養はなまる共和国は配送方法の調整やスケジュール管理などを行いました。金沢まで片道7時間以上、金沢から一番遠方の支援先である珠洲市まで3時間ほどかかります。三日間の工程は時間が十分確保出来ているようですが、その大半が移動で時間との勝負でした。地震の影響から未だに通行止めの区間が残る高速道路を降りて一般道を迂回して進みました。途中の道のりは、応急処置がされているものの裂けてしまった道路や大きな段差、崩れ落ちて消失した道の連続で、その爪痕の大きさが伺えました。その中でも珠洲市、能登町、志賀町、七尾市の訪問先4カ所に運び、現地のシルバーリハビリ体操指導⼠や仮設住宅の避難者の皆様に、座布団を無事に届けた事は大きな喜びとなりました。このプロジェクトに関わった沢山の方々の想いは、届ける私たちの⼼と、能登の被災者の皆さんの⼼にしっかりと伝わったと感じました。珠洲市の海岸沿いなどは、報道でイメージする被害の何倍もひどい状況で、道沿いから見える景色だけで同じく被災経験のある私も住⺠の痛みが伝わり涙が出ました。その⼀⽅で、現地のシルバーリハビリ体操指導⼠の方々の明るさと前向きなお話しには胸を打たれました。珠洲市シルリハ指導士の瀬戸さんのお話です。被災直後の1月4日、何かできる事は無いかと自宅から片道6時間の道のりを自分の足で歩き、自分が体操を担当している地区で自主的に体操教室を再開しました。被災直後の混乱時期、あの極寒の石川県の寒さの中、日々の不安の中でも人の為に活動されるシルリハ指導士さん。少しでも被災地の方々を元気づけられればと向かった私が元気を頂きました。きっとその活動によって被災した市民の方々の身体機能の維持が図れただけでなく、心のケアにも繋がったものと思います。リハビリテーションとは「障害を負っても、歳を取っても、人間らしく暮らすことであり、最期は人間らしい姿であること」と定義されます。シルバーリハビリ体操の大きな特徴はこの「リハビリテーション」の要素が入っている点です。だからこそシルバーリハビリ体操は、健康維持のため身体を動かすという地域の健康体操とは異なり、『自分の尊厳は自分で守る=自助』という大きなテーマを含んだ体操です。今回の震災に際して地域におけるシルバーリハビリ体操指導士の可能性は体操教室の指導士だけでなく市民の方々の尊厳を守る自助としても大きく貢献されていることを感じました。今回お届けできた、までい座布団は今後の復興期に、避難⽣活を送る⽅々の快適さを向上させるだけでなく、体操教室での活用、遠く福島の地にも同じ被災体験を持った同志がいるといった⼼の⽀えとなることを願っています。今後もシルリハ指導士として、地域のニーズに応じた⽀援活動を続けていきます。
参加者報告:齊藤隆氏(福島県理学療法士会副会長)
今般、福島県理学療法士会は現地のシルバーリハビリ体操指導士全国連合会と共に配布先自治体の調整、連絡やスケジュール管理などを行わせて頂きました。「までい座布団」を珠洲市、能登町、志賀町、七尾市の4つの訪問先に運び、現地のシルバーリハビリ体操指導士や仮設住宅の避難者の皆様に、無事に配布できた事は大きな喜びとなりました。この座布団は福島の被災経験を元に、江尻さんが丁寧に手作りされたものです。その想いは、届ける私たちの心と能登の被災者の皆さんの心にしっかりと伝わったと感じました。訪問先では交流活動を行い、現地のシルバーリハビリ体操指導士、介護予防の行政担当者、社会福祉協議会スタッフの生の声を聞く事もできました。珠洲市の海岸沿いなどは、思っていた被害より何倍もひどい状況であり、道路を走るだけで住民の痛みが伝わり涙が出ました。しかし、一方、現地の行政担当者やシルバーリハビリ体操指導士の明るい表情や、前向きなお話しには、胸を打たれました。今回の活動を通じて、福島と石川は遠く離れてはいますが、地域住民との絆が深まり、今後の復興支援に向けた心の繋がりが築けたと感じています。災害後の復興期において、理学療法士が果たすべき役割は非常に重要です。まず、被災者の心身の健康維持と回復を支援することが求められます。避難生活や仮設住宅での生活が長引く中で、身体的な機能低下を防ぐための運動指導やリハビリテーションが必要です。
また、地域住民とのコミュニケーションを通じて、精神的な支援や社会的なつながりを維持することも重要です。さらに、地域のボランティア活動や復興支援の調整役として、多職種との連携を図りながら、効果的な支援体制を築くことが求められます。奥能登の被災地域では、シルバーリハビリ体操指導士が活動を継続しています。現地の理学療法士との連携も良好なようですので、必ず、元のすばらしい生活が戻るだろうと確信して帰ってきました。今後も地域のニーズに応じた支援活動を続けていきたいと思います。また、引き続き指導士の皆様のご協力をお願い申し上げます。最後に、このプロジェクトにご協力いただいたすべての方々に心より感謝申し上げます。これからも共に力を合わせて復興を支援しましょう。
石川県志賀町からの現況とお礼
:志賀町シルバーリハビリ体操指導士会
7月3日付で村山会長から訪問のお礼と現況についての丁寧なお手紙が届いております。体操教室も開催されており、仮設住宅での体操教室と集いの場の体操風景等、たくさんの写真とメッセージが入っております。そのまま、HPに載せたいと思います。少しずつ、日常を取り戻してください。感謝の言葉ありがとうございます。私たちも頑張らなくてはと思います。私たちの想い、しっかり受け止めて頂き感謝の言葉もありません。頑張れ石川・がんばれ志賀町指導士!!